多大な時間とコストをかけて作ったランディングページ(LP)。
しかし、「公開しただけで満足してしまい、その後の効果測定や改善ができていない」というスモールビジネス経営者や担当者の方は少なくありません。LPは、いわばインターネット上の「営業マン」です。作りっぱなしにしてしまうと、せっかくのビジネスチャンスを逃しているかもしれません。
本記事では、LPの成果を最大化し、売上を伸ばし続けるための「LPO(ランディングページ最適化)」の基本的な考え方と実践方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
LPを作ったのに成果が出ない…こんなお悩みありませんか?
広告やSNSから集客するためにLPを用意したものの、期待していたような成果に繋がらず、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
「アクセスはあるのに、商品購入や問い合わせに繋がらない」
「どこを改善すればコンバージョン率(CVR)が上がるのかわからない」
「改善の必要性は感じているが、専門知識がなく何から手をつければいいか不明」
「A/Bテストという言葉は聞いたことがあるが、具体的なやり方がわからない」
もし一つでも当てはまるなら、それはLPの改善、つまり「LPO(ランディングページ最適化)」に取り組むべきサインです。
LPO(ランディングページ最適化)とは?なぜ重要なのか
LPOとは「Landing Page Optimization」の略で、日本語では「ランディングページ最適化」と訳されます。
具体的には、LPに訪れたユーザーが商品購入や資料請求といった「コンバージョン(CV)」に至る確率を高めるために、ページのデザインやコンテンツ、構成などを改善していく一連の取り組みを指します。
では、なぜLPOはスモールビジネスにとって重要なのでしょうか。その理由は、広告などの集客コストを無駄にせず、費用対効果を最大化できる点にあります。
例えば、100人が訪問して1人が購入するLP(CVR 1%)があったとします。LPOによってCVRが2%に改善されれば、同じ100人の訪問で2人が購入してくれることになり、売上は2倍になります。このように、少ないアクセス数でも着実に成果を積み上げられるのが、LPOの大きな魅力です。
初心者でもできる!LPOを始めるための3つのステップ
LPOは、決して専門家だけのものではありません。データに基づいた正しい手順を踏めば、初心者でも成果を出すことが可能です。ここでは、LPOの基本的な進め方を3つのステップでご紹介します。
ステップ1:現状分析と課題の発見
まずは、現状のLPがどのような状態にあるのかをデータで把握することから始めます。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使い、「コンバージョン率」「直帰率」「滞在時間」といった指標を確認しましょう。また、ヒートマップツールを使えば、ユーザーがページのどこをよく見ていて、どこで離脱しているのかを視覚的に把握できます。これらのデータから「ボタンのクリック率が低い」「フォーム入力の途中で離脱が多い」といった課題を発見します。
ステップ2:改善のための仮説を立てる
次に、分析で見つかった課題を解決するための「仮説」を立てます。
「もし〇〇を△△に変えたら、□□という結果になるのではないか」という具体的なアイデアを考えましょう。例えば、「申し込みボタンの文言を『資料請求』から『無料で試してみる』に変えたら、クリック率が上がるのではないか」「お客様の声を写真付きで掲載したら、信頼性が高まりコンバージョン率が改善するのではないか」といった具合です。
ステップ3:施策の実行と効果検証(A/Bテスト)
仮説を立てたら、それを検証するために施策を実行します。
ここで有効なのが「A/Bテスト」です。A/Bテストとは、元のページ(Aパターン)と、仮説に基づいて一部を変更したページ(Bパターン)を用意し、どちらがより高い成果を出すかを比較検証する手法です。一度に多くの要素を変更すると、何が成果に繋がったのかわからなくなるため、テストは一つの要素(例:キャッチコピーのみ、ボタンの色のみ)に絞って行うのがポイントです。
LPOでチェックすべき5つの改善ポイント
具体的にLPのどこを改善すればよいのでしょうか。
ここでは、特に成果に繋がりやすい5つのポイントをご紹介します。
ファーストビュー
ファーストビューとは、ユーザーがページにアクセスした際に、スクロールせずに表示される画面領域のことです。訪問者はここで「自分に関係があるか」「読み進める価値があるか」をわずか3秒で判断すると言われています。ターゲットに響くキャッチコピーや、商品の魅力が一目で伝わるメインビジュアルを用意し、ユーザーの心を掴むことが重要です。
CTA(Call To Action)
CTAは「Call To Action」の略で、日本語では「行動喚起」と訳されます。「購入する」「問い合わせる」「資料を請求する」といった、ユーザーに具体的な行動を促すボタンやリンクがこれにあたります。ボタンの色や形、サイズ、そして「今すぐ無料で試す」のようなマイクロコピー(ボタン周辺の短いテキスト)を工夫することで、クリック率を大きく改善できる可能性があります。
フォーム
せっかくユーザーが申し込みを決意しても、入力フォームが複雑でわかりにくいと、途中で離脱してしまいます。これは非常にもったいない機会損失です。入力項目は必要最小限に絞り、必須項目を明確にする、入力例を示すなど、ユーザーがストレスなく入力を完了できるような工夫(EFO:エントリーフォーム最適化)が求められます。
コンテンツ(ボディ)
LPの本文では、商品の特徴(スペック)だけでなく、それを利用することでユーザーが得られる未来(ベネフィット)を具体的に伝えることが大切です。また、「お客様の声」や「導入事例」「専門家の推薦」といった第三者からの評価を加えることで、信頼性が増し、ユーザーの不安を解消して安心して申し込んでもらえるようになります。
ページの表示速度
ページの表示速度も、ユーザーの離脱率に大きく影響します。特にスマートフォンからのアクセスが多い現在、表示に時間がかかるとユーザーはすぐにページを閉じてしまいます。画像のファイルサイズを圧縮したり、不要なコードを削除したりして、ページの読み込み速度を常に快適な状態に保つように心がけましょう。
手軽にページの改善を試したいなら「3do1」
LPOの重要性は理解できても、「A/Bテストのために複数のページを用意したり、デザインを修正したりするのは専門知識がないと難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
スモールビジネス向けSaaSサービス「3do1(サンドイッチ)」は、プログラミングの知識がなくても、誰でも直感的な操作でホームページやLPを作成・更新できるツールです。テキストの修正や画像の差し替え、ボタンの色の変更なども簡単に行えるため、LPOで立てた仮説をスピーディーに試し、A/Bテストを繰り返すのに最適です。
「まずは小さな改善から試してみたい」というスモールビジネスのオーナー様やマーケティング担当者の方は、ぜひ「3do1」をご活用ください。
まとめ:LPOは継続的な改善が成功の鍵
本記事では、LPの成果を最大化するためのLPOの基本について解説しました。LPOで最も重要なのは、一度改善して終わりにするのではなく、「分析→仮説→実行→検証」というサイクル(PDCAサイクル)を回し続け、継続的にページを育てていくことです。
まずはこの記事で紹介したポイントの中から、一つでも改善できそうな箇所を見つけて、小さな一歩を踏み出すことから始めてみませんか。地道な改善の積み重ねが、将来の大きな売上アップに繋がるはずです。
用語解説
LP(ランディングページ)
検索結果や広告などを経由して、訪問者が最初にアクセスするページのこと。広義ではウェブサイト全般を指しますが、マーケティングの文脈では、商品購入や問い合わせなど、特定のコンバージョン獲得に特化した縦長の1枚構成のページを指す場合が多いです。
LPO(Landing Page Optimization)
ランディングページ最適化。LPのコンテンツやデザイン、構成などを改善し、コンバージョン率を高めるための施策全般を指します。
CV(コンバージョン)
ウェブサイト上で獲得できる最終的な成果のこと。ECサイトであれば「商品購入」、サービスサイトであれば「問い合わせ」「資料請求」「会員登録」などがCVにあたります。
CVR(コンバージョン率)
Conversion Rateの略。サイトへのアクセス数(セッション数やユニークユーザー数など)のうち、コンバージョンに至った件数の割合を示す指標です。計算式は「CVR (%) = コンバージョン数 ÷ アクセス数 × 100」。
CTA(Call To Action)
行動喚起。ウェブサイトの訪問者に、具体的な行動(購入、登録、問い合わせなど)を促すためのテキストやボタン、画像などを指します。
A/Bテスト
ウェブサイトや広告などで、AパターンとBパターン(一部の要素だけが異なる)を用意し、どちらがより高い成果を出すかを比較検証するテスト手法です。
ファーストビュー
ウェブページにアクセスした際に、スクロールせずに表示される領域のこと。